埼玉第一法律相談シリーズ①離婚原因その7~配偶者の精神病~

 もし、夫(又は妻)が、うつ病、統合失調症などの精神病になってしまった場合、離婚することができるのでしょうか。それとも、回復するまで療養監護をして、婚姻関係を継続しなければならないのでしょうか。

 民法は、法律上の離婚原因として、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みのないとき」は、離婚の請求が認められるとしています(民法770条1項4号)。

 この「強度の精神病」とは、夫婦の協力しある義務を十分に果たすことができない程度の精神的な障害のことをいうものと考えられており、具体的には、統合失調症、そううつ病、偏執病など高度の精神病であって、健康状態と高度精神病の中間にあるアルコール中毒、ヒステリー、神経衰弱症(ノイローゼ)などは該当しないとされています。

 また、家庭に復帰して生活することができるかどうかという観点から、「回復の見込みのない」こと(不治であること)も要件とされており、強度の精神病になって入院してしまったとしても、すぐに離婚が認められるということはなりません。

 これは、同じく法律上の離婚原因である「不貞行為」とは異なり、必ずしも本人自身に問題があるとは言えないことから、そのように考えられています。

 これまでの裁判例をみても、回復の見込みがなく、かつ、強度の精神病であることに加えて、さらに、その配偶者の療養・監護について具体的方途があること、婚姻を継続することが相当であるとは言えないことも必要であると考えられており、具体的なメルクマールとして、①治療が相当長期間であること、②専門医による科学的裏付けがあること、③離婚を求める配偶者がこれまで誠実に療養、生活の面倒を見てきたこと、④離婚を求める配偶者に離婚をしなければならない事情があること、⑤将来の療養及び生活に離婚を求める配偶者が具体的な方策を持っていることがなど必要とされています。

 したがって、夫(又は妻が)うつ病、統合失調症などの精神病になってしまった場合であっても、それだけですぐに離婚することができることにはなりませんので、上記のメルクマールに照らして、離婚することもやむを得ないと判断してもらえるかどうか検討する必要があります。

 もっとも、回復の見込みのない強度の精神病に該当しないとされる場合であっても、「婚姻を継続し難い事由」(民法770条1項5号)があると判断される可能性もありますので、その観点からも検討する必要があります。

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